
昔は歯の詰め物やかぶせ物と言ったら銀歯が主流でしたね。
しかし現在では銀ではなくレジン、セラミックといったメタルフリーを勧める歯科医が増えてきています。というのも銀歯は隙間が生じて二次カリエスにかかりやすく、また金属アレルギーの懸念がある為です。
中でも銀色の詰め物アマルガムは水銀で出来ているのでなるべくすぐ除去する必要があるのだそう。
そんな私もアマルガムが入っていた為除去してきました。
私もそうでしたが、アマルガム自体何なのかまだ知らない方も多いみたいなので、概要を説明すると共に除去した私の体験談を紹介します。気になっている方の参考になれば幸いです。
注意
・なるべく間違いのないよう調べてから執筆しているのですが、医学的知識を有しておらず、論文を読み解く能力も無いド素人による記事である事をご理解下さい。
・あくまでも私個人の体験談です。
アマルガムとは
アマルガムとは虫歯治療の際に歯に充填される歯科用の材料です。
銀、スズ、亜鉛、銅、水銀で出来た合金でして、水銀が特に高濃度に含まれています。
保険診療で一般的によく使用されてきました。
アマルガム(amalgam)は、水銀と他の金属との合金の総称である。広義では、混合物一般を指す。水銀は他の金属との合金をつくりやすい性質があり、常温で液体になる合金も多い。
引用元『wikiペディア』
引用元『dentistrytoday』
アマルガムの危険性
アマルガムには水銀が含まれている為、人体に悪い影響を及ぼすのではないかと現在では危険視されています。
25度以上の温かい物に触れたり、摩擦等により水銀蒸気が放出されます。これは温かい食べ物や飲み物、そして固形物を噛んだり歯を磨くといった何気ない日常生活で放出するという事です。
放出し体内に取り込まれ、排出されることなくやがて蓄積されていきます。
すると様々な不調をきたす事があるそうで、
- イライラ
- 頭痛、めまい
- アレルギー症状
- 皮膚の炎症
- 慢性疲労
などの症状があると言われています。
特に危険なのが妊婦さん。水銀の影響により不妊症になったり、胎児への何かしらの障害の原因になるとも言われています。
The most commonly reported complaints attributed to dental amalgam are neurological symptoms such as fatigue and dizziness, mental symptoms such as concentration and memory disturbance, anxiety, irritability, restlessness and depression. Moreover, pain in muscle joints and pain in neck, shoulder, teeth, jaws, face and headache as well as gastrointestinal symptoms such as constipation, diarrhoea, bloating, mouth blisters, metallic taste, as well as increased susceptibility to infections, are also commonly reported.
上記の理由からなるべくアマルガムを除去するよう言われています。
一方で、水銀という理由だけで取る必要はないという見解もあります事を念の為付け加えておきます。
銀歯(アマルガム)をそれだけ(水銀が入っているという表現も正確ではありません)の理由で除去する必要はまったくありません。詰め物の周囲に新しくムシ歯ができた、詰め物が外れた、詰め物の一部が欠けた、歯の色と違うなどの理由があって除去することはありますが、これらの理由なしではずすことは考えないほうが良いでしょう。口の中で化学的に安定しているアマルガムを削って除去する(はずす)際に水銀が蒸気化し、これを吸い込むリスクが生じることを考えるべきです。
引用元:日本歯科保存学会『歯科用アマルガム(に含まれる水銀)に関する Q & A 集』
アマルガムはいつまで使われてきたのか
アマルガムは1970年代まで頻繁に使われてきたそうですが、2016年に保険診療から外されるまでは、頻度は減ったものの普通に使われており、現在でも使用している歯医者は存在するようです。
海外では欧州を中心に使用に制限がかかっており、妊婦への使用禁止、もしくは全ての患者への使用が禁止になっていたりとバラつきはあるものの危険視されている事が分かります。
私がアマルガムを充填されたのは、記憶をたどると恐らく2000年~2014年の間だと思われます。
現在では殆どアマルガムは使われていない旨を先述しましたが、これはただ単に人体への危険性のみならず、環境への配慮というのが理由の一つでもあるそうです。
アマルガム除去の私の体験談
それでは、アマルガム除去した私の体験談でも。
あくまでも筆者個人の体験談であり一例ですので、全員に当てはまるものでは無い事をご理解下さい。
経緯
アマルガム除去のきっかけは、口内の見た目を良くする為に銀歯をセラミックに変えたくて受診したのがきっかけ。
いつもは幼少の頃からずっと通っている生協の歯医者に行っていました。
しかし場所が遠いのと、少々考えが古臭くて時代が止まっている感じを毎回受けていたので、いっその事近所の最新っぽい歯医者に行こうと思い病院を変えたのですが、その時に初めて指摘される事となりました。
診断
初めての歯医者さんは設備が最新で驚く事ばかり。
ダイアグノデントペンというレーザー光で目視やレントゲン写真では見つけられない虫歯を正確に見つけてくれます。そして必ず歯科医はルーペを装備。
おかげで生協の歯医者では虫歯ゼロっと毎回言われていた私ですが、なんと5つ程虫歯が発見されました。
その際にアマルガムが入っている事を指摘されました。
歯科医:「アマルガム入ってるね~。取った方が良いよ、健康に悪いから。」
私:「ん?何ですかそれ?」
歯科医:「水銀!もう今は殆ど使われていないんだけど、昭和世代、平成初期の人は入ってる事多いね。」
私:「す、水銀…(水俣病が頭をよぎる)。私、妊娠希望なのですが、大丈夫ですかね?」
歯科医:「妊娠前に取った方が良いよ。今日は準備が出来て無いから次回取りましょう。」
と、こんな流れで除去する事に。
私、アマルガムの存在なんてこの時初めて知りました。
「水銀=絶対悪」という先入観を持っていたので、水銀が口内に入っている事を知って相当ダメージが大きかったです。
除去当日
除去当日。
奥歯に埋め込まれたアマルガム除去と、代わりにセラミックを入れる為に型取り。
歯科医、歯科衛生士、お二人とも防護服にゴーグルを着用して登場。
そんなフル装備で除去する事にびっくり。そこまで危険なものが口に入っていたのか!!と思ったものです。
そして私の口内にはラバーダムといってゴム状のカバーみたいなのを装着されます。これはアマルガムを削った際に出る削片を誤って飲み込まないようにする為の処置です。
麻酔を打ってただ削るだけ。削片はバキュームでしっかり吸い取ってくれるし、カバー掛けられているので口にザラザラとアマルガムのカスが残ることはありませんでした。
お会計は¥3,000程で収まりました。
予後
アマルガム除去してから異物を取り除いたスッキリ感で気持ちがホっと楽になりました。
そしてアマルガムを除去して他の銀歯も除去し全てセラミックに変えメタルフリーにした訳ですが、長年度々起こる口内の荒れや、謎の口回りの痒みが消失しました。
嬉しい効果はそれだけではありませんでした。美容医療やエステ施術のイオン導入の際、銀歯部分の浮くような、ズキズキするような、何とも形容しがたい違和感が無くなりました。
金属アレルギーだったのか、それともただのプラセボなのか、それは分かりません。でも金属は体にあるより無い方が良いと私は思います。
アマルガムや銀歯を除去し、メタルフリーにした事で得られたメリットをまとめると下記の通り。
- 二次カリエスの心配が減った
- 健康被害の不安が減った
- 安心して妊娠に望める
- イオン導入時の不快感が消失
- 口内、皮膚の荒れが消失
アマルガム含め、銀歯を全てメタルフリーに変える事は歯科医からも勧められています。
セラミックやレジンに全て入れ替える事はそれなりに費用がかかりますが、しかしこれはただの不安商法ではないと私は思います。
一生もののを歯を大切に長く使う為にもメタルフリーは本当にお勧めです。
さいごに:妊娠希望の私は除去してよかった
アマルガム除去は気持ち的にもやってよかったと思っています。特に妊娠希望の方こそ早めに除去した方が気持ち的に楽です。
口内に入っているからと言って生まれてくるお子さんが必ず障害を持つかといったらそうではありません。
しかし少しでもリスクを下げる事ができる訳すし、もし仮に障害をもった赤ちゃんが生まれた場合「あの時こうしていればよかった」といった後悔要素が一つ減ると思うんですよね。
昔ながらの古臭い歯医者に行くと取り合ってくれない事があるそうなので、最新の歯科医療を積極的に行っている歯医者に変える事も視野にいれつつ、歯と健康の為に検討しても良いのではないでしょうか。
これはアマルガムに限った話ではなくメタル素材全般に言える事です。
ー以上です。
参考文献
・Health Complaints Attributed to Dental Amalgam『A Retrospective Survey Exploring Perceived Health Changes Related to Amalgam Removal』(最終閲覧日:2022年1月5日)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5299553/
・PMS『Perinatal death and exposure to dental amalgam fillings during pregnancy in the population-based MoBa cohort』(最終閲覧日:2022年1月5日)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6286137/
・dentistrytoday『Amalgam Fillings May Raise Mercury Levels in the Body』(最終閲覧日:2022年1月5日)
https://www.dentistrytoday.com/amalgam-fillings-may-raise-mercury-levels-in-the-body/
・日本歯科保存学会『歯科用アマルガム(に含まれる水銀)に関する Q & A 集』(最終閲覧日:2022年1月5日)
https://www.ousda.jp/cmsdesigner/data/entry/saisin_news/saisin_news.03922.00000002.pdf