こんにちは、元美容外科カウンセラーのちゅる美(@tyurumi3)です。
ニキビの外用薬と言えば「過酸化ベンゾイル」や「アダパレン」という成分が有名ですが、ここ最近「アゼライン酸」という成分も注目されるようになりました。SNSなどで一度は目にした事があるのではないでしょうか。
ニキビ体質の私はニキビが出来そうな生理前に必ず外用薬を使って対処しているのですが、アゼライン酸もなかなか良いという情報を聴き早速試してみました。
これがなかなか良かったので、私が得られた実感を口コミ記事として綴りました。
結論を言うと、乾燥はするもののニキビは出来にくくなると思いました。しかし処方箋と比較すると効果はマイルドな印象です。
これらを踏まえまして、以下詳しくレビュー致します。
※私は専門家ではありません事をご了承下さい。あくまでも一般消費者としての体感を思うがままに述べているだけです。全ての方に効果があるとは限りません。ニキビ治療はまず皮膚科に行く事が先決です。
目次
アゼライン酸とは
アゼライン酸とは、ライ麦や小麦といった穀物に含まれている酸でして、普段口から摂取している食品に含まれている成分です。
海外では昔からニキビ治療の医薬品として30年も前から使用されています。
効果
アゼライン酸の持つ効果は下記の通り。
- 皮脂分泌抑制
- ニキビ菌の増殖抑制
- 抗炎症
- メラニン抑制
- 抗角化作用
ニキビ、ニキビ跡、酒さに効果があるとされています。
アゼライン酸は痤瘡に対して 20%製剤が使用され,毛漏斗の角化異常,皮脂の分泌亢進,抗菌作用,抗炎症作用など幅広い作用を示す。…臨床試験で面皰、炎症性皮疹の両者に対する有効性が確認されている。
引用元:日本香粧品学会誌「ニキビの発症メカニズム,治療,予防」
副作用
普段日常的に摂取している成分なだけに重篤な副作用は報告されていませんが、塗った時にピリピリとした刺激や痒みを感じる方がいるそうです。
これは酸によるためと思われますが、アゼライン酸の酸はピーリングに用いられているフルーツ酸、サリチル酸、乳酸と比較すると大変弱くなっています。
また、皮脂分泌を抑制するので肌の乾燥を招く事があります。
医薬品ではなく化粧品
アゼライン酸は海外では医薬品としてニキビ治療に用いられていますが、日本では未承認となっています。
ですが、日本皮膚科学会ではニキビ治療として推奨されています。
未承認の為医薬品は現在存在していませんが、医療機関専売品としてロート製薬から「DRX AZAクリーム」というのが¥1,800(税抜)で病院で取り扱われています。
- アダパレンや過酸化ベンゾイルでは刺激が強すぎて使えない
- 妊娠中、授乳中
という方に、次の選択肢としてお勧めされています。
本邦でも 20%アゼライン酸含有の低刺激性の製剤が開発され、RCT で有効性と安全性が確認されている。海外では治療ガイドラインのセカンドラインとして推奨されているが、まだ本邦での報告は限られている。本邦では化粧品の含有成分の一つであり、医薬品としては未承認である。
引用元:日本皮膚科学会「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2016」
妊娠中でも使える
先述したように、アゼライン酸は催奇形性がない為、妊娠の可能性のある方、授乳中の方でも使える成分です。
妊娠中はホルモンバランスの関係でニキビや吹き出物が出る場合があります。その際に使用できるというのが嬉しい特徴ですね。
アゼライン酸配合の海外医薬品、化粧品
日本国内で購入できるアゼライン酸配合の化粧品は医療機関専売品のロート製薬だけではありません。
海外医薬品、一部の化粧品ブランドからも発売されている為、病院にわざわざ受診しなくても購入可能です。
SNSでリサーチしてみた結果、シェルシュール、ジオーディナリーを使っている方が多い印象でした。
アゼライン酸は15~20%の濃度が効果があると報告されていますので濃度は欠かさず確認する事が大切です。しかし人によっては乾燥を招く事があり、その際は低い濃度(10%位)から使用するといいでしょう。
ネットで買えるアゼライン酸の海外医薬品、化粧品をいくつかピックアップしましたので参考にして下さい。
海外の医薬品
海外ではメジャーなアゼライン酸。輸入代行のページを見てみるといくつか海外の医薬品が販売されていました。
製品 | 製品名 | アゼライン酸濃度 | その他 |
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AzacCream | 20% | |
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SkinorenCream
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20% | |
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EzanicCream | 10% | SkinorenCreamのジェネリック |
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EzanicCream | 20% | SkinorenCreamのジェネリック |
化粧品
一部の化粧品ブランドからアゼライン酸配合化粧品が発売されています。しかしまだまだ数が少ないなぁという印象ですね。濃度の表示が不明な事が多いです。
製品 | 製品名 | アゼライン酸濃度 | その他 |
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[ETVOS] バランシングVCクリアスポッツ |
企業秘密 | 安定型VC誘導体配合 |
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[The Ordinary] Azelaic Acid Suspension |
10% | 日本未上陸 |
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[シェルシュール] アドバンストエッセンスAZ |
不明 | たまに品切れになる位人気。 |
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[ロート製薬] DRX AZAクリア |
20% | クリニック専売化粧品 |
【アゼライン酸】シェルシュールの口コミ、レビュー
私が使っているアゼライン酸はシェルシュール「アドバンストエッセンスAZ」。
アゼライン酸濃度不明なのが引っかかるのですが、アゼライン酸の他に環状型ビタミンB6誘導体、保湿成分が入っておりかつアルコール、グリセリンフリーの点に興味をそそられ購入した次第です。
お値段は税抜き¥5,500でしたのでちょっとお財布が痛い…。
使用感
洗顔後、何もつけていない状態で塗ります。
透明の緩めのジェル。私は顔全体ではなくニキビのできやすい顎、フェイスラインのみに使用しています。
サラッとしてべたつきは一切ありませんでした。保湿剤配合との事ですが、保湿されている感じが全くありません。逆にこれを使う事で肌が乾燥するようになりました。

緩めのテクスチャー。

顎、フェイスラインのみ使用。
人によってはアゼライン酸を塗ると刺激感があったり赤みが出る事があるみたいですが、私の場合は大丈夫でした。使っていて特に違和感を感じる事は無かったです。
普段のニキビケアにはディフェリンやべピオゲルを使用していたのですが、テクスチャー、刺激感を比較すると大変使いやすいと思いました。
塗布してしばらくしたら化粧水、クリームといつものケアを行いました。
しっかり保湿しても、洗顔して保湿剤を流すと肌がカピカピ乾燥しています。若干リキッドファンデーションが塗りずらいかな。
得られた実感
アゼライン酸を塗るようになってから皮脂のベタつきが気にならなくなりました。乾燥傾向ではありますが…。
そのおかげなのか分かりませんが、生理前になると必ずできるニキビは大分減らせているように思います。
あまり良い事いうと薬機法にひっかかるのが心苦しい。
下の写真を見て頂けると分かると思うのですが、肌の状態はまぁ良い方だと思っており安定しているかと。

どうしてもピンボケしてしまう…。
もちろんディフェリンやベピオゲルでもニキビは防げていました。しかし塗った時のヒリヒリ感や乾燥を思うと、アゼライン酸の方が使いやすく、メイクノリが超絶悪くなる事が少ない印象です。
私の場合ただいま妊活中の為、万が一を考えて妊娠してないと確信がある時は外用薬のみ、もしくは外用薬とアゼライン酸の併用使用。妊娠の可能性があるかも、という時はアゼライン酸のみを使用しています。
ですが、妊娠関係なくずっとアゼライン酸のみだけを使いたいかと言えばそうでもありません。値段が高い事がネックであり、また、大きい炎症性のニキビが出来た時は処方箋の方が治まるのが早いと感じたからです。
アゼライン酸単独と従来の外用薬を比較するとやはり第一選択である従来の薬の方に軍配が上がります。
アゼライン酸も処方箋も、どれも全てメリット、デメリットありますので、適宜肌や体の状態を考慮に入れてその時に一番合う製品を選ぶ、又は処方してもらう事が賢い選択だと思います。

まとめ:アゼライン酸は妊娠中でも使えるのが最大のポイント
私の場合、アゼライン酸はこれまでの処方箋に比べ刺激感なく使えたので良かったです。効果としてはそこそこ満足いくものの、処方箋よりマイルドなので第一選択としてはないかなぁという印象ですね。
しかし、従来の薬と併用する事で更に効果への実感がありましたから、従来の薬を基本とし+αとして加える方向で使うと良いと思います。
とはいえ、妊活中の私にはとても助かっている存在に間違いはありません。
- ディフェリン(アダパレン)、ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)を中止せざるを得ない方
- 妊娠中、授乳中の方
上記の方にはアゼライン酸は大変おすすめできる成分だと思いました。
ー今日は以上です。
参考文献
・日本香粧品学会誌『ニキビの発症メカニズム、治療、予防』(最終閲覧日:2021年2月11日)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/koshohin/40/1/40_12/_pdf
・日本皮膚科学会『尋常性痤瘡治療ガイドライン 2016』(最終閲覧日:2021年2月11日)
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/acne%20guideline.pdf#search=%27日本皮膚科学会+にきび+ガイドライン%27