
私はわきが、多汗症に悩んでいました。父親がわきが持ちだったのでその遺伝でしょう。ひどく父を恨んだものです。
その辺で買える制汗剤を使っても一時しのぎですし何度も塗るのも面倒。大切な洋服に臭いが移るのも嫌だったので20代の時に手術に踏み切りました。
結論、傷は残りましたが大変やってよかったです。
私のわきが、多汗症手術の体験談をブログにて執筆しましたので気になっている方の参考となれば幸いです。
一部グロテスクな患部の写真も出てきますので、苦手な方は読むのを控えてください。
注意
・この記事はステマ、PRではありません。
目次
手術に至った経緯
ここで私がわきが、多汗症手術に至った経緯をお伝えします。
父親の遺伝で腋臭を受け継いだわけですが、わきが度合いでいうとそこまで重症の部類ではありませんでした。まぁ普通に臭い程度で、部屋中がニオイで充満する、というレベルではなかったです。
でも臭かったので人から指摘されて落ち込む事が結構ありましたし、服にびっしりと汗ジミが出来て恥ずかしい思いを何度も経験しています。当時付き合っていた彼氏にも指摘されショックでした。
それ以来毎日何回も何回も制汗剤を塗りまくる日々。
しかし、ある時気づきます。
「永久に制汗剤塗っていたらその制汗剤代、半端ないのでは」と。
手術は高額ですが、長期的にみると制汗剤代より安くなるのです。
もちろん手術は痛みやダウンタイムがあります。が、何回も制汗剤を塗る手間や精神的ストレスを考えたら明らかに手術した方がベネフィットが大きい。
リスク <<<<< ベネフィット。
なので私は美容クリニックの門を叩く事となったわけです。
行ったわきが手術の方法について
以下からは面倒なので「わきが、多汗症手術」ではなく「わきが手術」と記す事にします。
わきがの治療方法はいくつかあります。
- 皮膚切除法
- 皮弁法(剪除法、切開剪除、直視下摘除法など)
- マイクロリムーブ法
- ミラドライ
- ボトックス注射
医師とカウンセリングした結果、私はマイクロリムーブ法という手術になりました。
一般的に良く行われている反転剪除法よりも傷跡がちいさく、キレイに治るとの事で医師からおすすめされました。
あまり他では行っていない治療法でして、現在では「聖心美容クリニック」にて行われています。当時の医師がここのクリニック出身だったという事もありこちらをお勧めされたのかもしれません。
マイクロリムーブ法とは
ワキ下のシワに沿って作った1センチ程の入り口から、特殊な治療器を挿入してワキガの原因となるアポクリン汗腺・皮脂腺を粉砕・除去します。従来の反転剪除法(切開法)に比べ傷跡が小さく、また、超音波によるワキガ治療法に比べ汗腺および皮脂腺の除去率が高いことが特長です。
出典:聖心美容クリニック
この手術法ですと保険適用にはなりません。
今思えば費用の関係上保険適用の皮弁法にしてもらえばよかったと思うのですが、当時は今みたいにスマホでサクサクと情報収集する事が出来なかったという時代背景もあり、わきがの保険適用についての知識が乏しかったんです。
私のわきが手術体験談
それでは私のわきが手術の体験談に移りたいと思います。
いざ、カウンセリングへ
元々通っていた美容クリニックだったので不安もなくカウンセリングへ。
カウンセリング室に入ると、先生からガーゼを渡され、脇に挟むよう指示が。そのガーゼを挟みながらカウンセリングが開始しました。
ある程度わきが手術の説明や写真をみせてもらったところで先ほどのガーゼ回収。直後、先生がクンクンとニオイを嗅ぎだしました!
「きゃぁ、やめてぇ~恥ずかしいーーー」と心でつぶやく私。
「クンクン。ん~…。ニオイはまぁそこそこありますね。手術した方が楽になりますよ」と先生。
そこからサクサクと手術の説明と手続き。
元々わきが手術やる気満々でカウンセリングしたのですぐ予約を抑えて帰宅しました。
わきが手術開始
さて、わきが手術当日。前日から結構緊張していました。
服は脱ぎ着しやすいように前開きのブラウス。
手術台に乗ったらまず点滴をプスっと。脇の局所麻酔が痛いらしいので静脈麻酔で眠った状態で麻酔してくれるのがここの病院の良い所。ただ麻酔している間のほんのわずかな時間だけですけどね。ちなみに無料でした。
点滴後、万歳のポーズにされ腕を固定。
先生が登場し、「では眠くなるお薬いれますね~」と。
…………。
………。
……!!
「まだ寝れないじゃんかよ~。早く寝ないと~!!!」と思っていたら、もう局所麻酔は終わっており手術がすでに始まっていました。
引っ張られるような感覚、なんかお父さんの髭剃りでジョリジョリされている感覚、ぐちゃぐちゃっと水みずしい音も聞こえる。色んな感覚や音がありました。
静脈麻酔の残りもあって、最初は意識がボーッとしてる中での手術でしたから余裕でした。
しかし静脈麻酔が切れてからは徐々にはっきりと意識が戻り、同時に手術の恐怖感が強くなって体中脂汗ダラダラ状態。その間看護師に手を握ってもらい、「頑張ってね」「あともうちょっとよ」っと励まされながらのオペでした。
やっぱりね、いくら麻酔で手術が痛くないと言えど自分の体を切り刻まれ、剥離され、プチプチと組織を切り取られるのは心地よくないですよ。ずっと静脈麻酔で眠った状態でやってもらうのが一番です。
なんやかんやで恐怖の手術が終了。
脇の間にボールサイズのガーゼ入れられてガッチリ固定されました。結構大きめのガーゼですから肩はいかり肩状態で可笑しかったです。冬に手術したのでコートで隠せましたのでまだ幸いだったかも。
腕は肘から下までしか動かないロボット状態での帰宅となりました。
「さらばアポクリン腺、さらばエクリン腺。やっとわきがから解放された。」
私の心は青空と共に清々しかった。
ダウンタイムとの戦い
美容整形、大きな病気、なんでもそうですが手術は麻酔が効いているので思ったより楽勝じゃんって思いがちですが、問題は手術後の数日間。
ダウンタイムは本当に辛い。勝負はここがピークなのです。
わきが手術の場合は剥離した皮膚と皮膚の間に水が溜まらないよう脇にたっぷりのガーゼが詰め込まれます。そして肘から下しか動かしてはいけないので、ガシャンガシャンとロボットのような動きしかできません。
痛みはなんとなく鈍痛があったので痛み止めを飲みましたが、そこまで強い痛みではありませんでした。
動きにくいのと、ガーゼによる皮膚のかぶれが辛かったです。
三日後には自分でガーゼ取っていいよと言われたので取ることに(でも、まだ肘から下しか動かしてはダメ)。
切開した場所はしっかり縫ってあり、他の個所は水が溜まらないように全体に満遍なく糸で留められている状態でした(ガラケーの写真なので画質悪いです)。
- 髪洗えない
- 体が洗いにくい
- 洗顔も出来ない
- 着替えがしにくい
など、生活する上で欠かせない動作が上手にできません。
幸いにも彼氏(今の旦那)と同棲中だったので何とかなりましたが、一人暮らしだったらダウンタイムを乗り越えるのは至難の業だった事でしょう。
抜糸
抜糸はチクチクする程度の痛みで全然我慢できました。
抜糸すると脇のつっぱりが無くなるので大分楽になりましたね。腕も拳上してOKだし、濡らすこともOKなので、徐々にいつもの生活に慣らしていきます。
抜糸後からは化膿止めの軟膏を処方され、ガーゼに塗って脇にペタっとテープで留めるケアを開始。
抜糸から一週間経過したら再度検診です。
術後の経過
しかしですねぇ、抜糸してから化膿止めの軟膏塗っているにも関わらず、患部が膿んでしまいました。
痒みもあるし、なんか膿臭いし…。
丁度抜糸一週間後の検診があったのでそこで見てもらいましたが、化膿止めの内服と外用薬で乗り越えるしかないと。
結局何とかなりました。
そして、ある程度傷が癒えたら、脇のマッサージを開始するよう指示がありました。
グニグニと揉み解すようにすることで、硬くなった皮膚が柔らかくなり元の状態に戻るとの事。最初の内は頑張ってやりましたが、徐々に怠けてしまいました…。
術後しばらくは色素沈着が残りました。が、これに関しては術後しばらくしてからレーザーと外用で薄くできました。
しかしそれから数年経過後、また黒くなりだしたんですよね…。あまりにも黒かったのでレーザー治療では白抜けするかも、という事で今度は外用のみで治療。時間はかかりましたが薄くすることができました。
今現在の状態
傷跡がきれいというのが売りだった「マイクロリムーブ法」というわきが手術。
しかし、体質もあって瘢痕になってしまいました。おまけにマッサージを怠けていたのが災いしたのか皮膚もひきつってグチャグチャになっています。
対応の良い美容クリニックだったのでケナコルト注射や内服、外用薬等を無料で処方してくれたりと努力はしてもらったのですが、やはり完璧には治らず。
術後から10年以上たった今の脇の状態がこちらです。
ノースリーブ着て人前で万歳できない状態です。消えるなら消えて欲しいですがあきらめています。
あの面倒な制汗剤と精神的ストレスから解放され、わきがのコンプレックスが無くなった事の方が私的にはメリットでした。なので、この傷跡に関してはもうどうでもいいです。
わきが手術にかかった費用
わきが手術にかかった費用は手術代の¥320,000以外にかかっておりません。
この中に静脈麻酔代、薬代、被覆材、消費税、全て含まれています。
瘢痕の注射代や薬などは無料だったので32万円以外に支払う事はありませんでした。
実に明朗会計。
【これから手術を始める方へ】術前に準備しておくと良い事
今回私が受けたわきが手術の場合、脇の間にガーゼを詰め込まれて固定されます。そして抜糸までは肘から下しか動かしてはいけません。
ですからもしあなたが一人暮らしであるのなら、手術を始める前に以下の事を事前に済ませておくと良いでしょう。
- 家の掃除、洗濯、買い物を済ませる
- 食事をある程度作っておく(野菜スープ、豚汁などがおすすめ)
- 前開きの服や下着を出しておく
具材を切るという動作がとてもしにくいので、あらかじめスープなどを大量に作っておくと助かりますよ。
これなら野菜もたっぷり摂れるし食べる時は温めるだけでOKだからラクチン。なんなら冷凍保存だって可能です。
また衛生面で言えば洗髪、洗顔がほぼ不可能なので、ドライシャンプーや洗顔シートを常備しておくと良いでしょう。
術後の再発について
わきが手術をしても再発する可能性がある、というのは良く聞きますが、実は私も再発がありました。正確に言うと、再発というよりただの汗腺取り忘れですね。
気のせいかなっと最初は思いましたが、脇を手で拭って臭いを嗅いでみるとあの独特のワキガ臭がかすかに臭いました。
術前みたいに強い臭いではなかったし、仕事の兼ね合いもあって再手術の予定が組めなかった事もあり制汗剤でしのいでいました。
その時使った制汗剤は1回目の手術のちょっと前から使っていたお気に入りの「パースピレックス(デトランスα)。多汗症治療の標準治療薬(自費)のアルミニウム溶液と同じものです。強力な制汗効果でわきがの臭いを気にすることなく生活でき大変助かりました。
しばらくして仕事も落ち着き有給消化しやすくなったので再手術。臭いが残っていた片側のみ行いました。
最初の手術からかなり期間が経過していたにも関わらず手術費用は無料で対応して頂けました。
それ以降は臭いや汗に悩むことなく快適に生活できています。
今現在、わきが手術から10年以上経過した今でもニオイはありません。
しかし面白い事にペットのワンコは脱いだ私の服の脇部分だけ執拗にクンクンしています。
まとめ:わきが手術をやって本当によかった
当時20代という事もあって32万円という額はかなり大きかったです。
しかし、長年制汗剤を使った場合の費用を考えると、やはりわきが手術に踏み切って良かったなと思っています。
そしてあの嫌な臭いから解放されたことで人との関りも積極的になれたし、精神的にも大変楽になりました。
わきがに悩んでいる方は手術を視野に入れてみても良いのではないでしょうか。わきがの度合いや治療法により保険適用にもなるので、一度カウンセリングだけでも受けてみるといいかもしれません。
ー以上です。