
この記事は、美容医療 初心者向けの記事となっています。
美容整形がすでに普通の事となっている現在。
医療といえど生命に関わらない自由診療であるが故にサービス要素が強く、儲け主義の悪質なクリニックや医師は相変わらず無くなりません。儲けを優先するあまり技術不足のまま執刀する事もあり被害者は絶える事がありません。
事態を見かね、美容クリニックにおける広告、宣伝規制から始まり、厚生労働省が患者向けに注意喚起をしているという現状。いかに被害者が多いのかが伺えるのではないでしょうか。
せっかく綺麗になりたくて受けた美容整形。健康被害の出る薬剤や術式、適応外、下手糞な技術によって失敗されたり希望通りにならなかった際の肉体的、精神的ダメージは相当なものです。
残念な結果にならない為にもしっかりと情報収集しなるべくリスクを回避できるよう自分で自分を守るしかありません。
その為にも厚生労働省が公表している確認事項に目を通し、本当に自分に必要な治療なのかを今一度確認してほしいと思います。
どのような事項を確認すべきなのか、私の意見を交えてご紹介します。
- 近い将来、美容整形を検討している方
- まさに美容整形の契約をしようかと考えている方
この記事が上記の方の良い選択の手助けとなれば幸いです。
※本記事は「厚生労働省のHP」の内容を引用しつつ、私の意見を混ぜながら解説しています。
美容整形を受ける前にもう一度確認する事
まず、美容整形を受ける前に下記の事項を確認してみて下さい。
本当に自分に必要かどうか冷静に考える事が大切です。
①使用する薬などがどのようなものか、自分でも説明できますか?
美容目的で使われている医薬品は、自由診療であるが故に承認されていない適応、方法で処方される事がよくあります。例えば下記のものが挙げられます。
- プラセンタ注射の静脈投与(メルスモンは皮下も)。
- ダイエット目的のGLP-1受容体作動薬
- フィブラストスプレーを用いた若返り注射
医薬品だけではなく使用する機器も承認されていない場合があります。
国内で承認されている医薬品、機器の副作用で何か健康被害があった場合は医薬品副作用被害救済制度により保護されますが、用法・用量等に従って使用されていない場合はその対象になりません。
ですから使用される医薬品、機器の効果と安全性、注意事項など自分で説明できるまでしっかりと医師から説明を受け理解する事が大切です。
とはいえ、未承認品だからといって危険とは言い切れず、医師の裁量の元で行う事ができる為違法ではありません。現在の美容医療では医師が個人で輸入している未承認品を多く使用しているのが現状です。
②効果だけでなく、リスクや副作用などについても知り、納得しましたか?
美容医療はサービス業ですから良い事ばかりで悪い面を言わない事が多く、実際にこれが美容整形後悔へと繋がります。
施術の効果だけではなく、リスク、副作用、合併症、再発率、発症率、痛み、術後の経過などしっかり医師から説明してもらい理解する事が大切です。
得た情報をいったん頭で整理したうえで、メリットがデメリットをどの位上回るのかを考えてから施術を決断すべきです。
ただ、人間自分には不都合な事が起こるわけがない、とプラス思考に考えがちで、術後の注意事項の説明を適当に聞き流す方が多いと私は勤務していて思いました。
- 自分にも何かリスクが起こるかもしれない
- 整形は魔法じゃないから思い通りにならない事もある
という気持ちで受けるといいでしょう。
そうすれば、おのずと何かあった時に冷静に対処する事ができます。

③ほかの方法や選択肢の説明も受け、自分で選択しましたか?
医師の進める施術方法だけが良い方法とは限りません。
様々な施術がある中でそれぞれの効果、副作用、メリット、デメリット、費用などを比較検討し、自分の納得できる施術を自分で選択してください。
担当医が自分の症例数を増やしたいが為に一定の施術をやたら勧めてくる事があります。
中にはあれもこれも同時にやった方が良いと数種類の治療を同時に勧める事もありますが、本当に何が自分にとって最適なものなのか、しっかり吟味する事が大切です。
④その美容医療は「今すぐ」必要ですか?最後にもう一度、確認しましょう。
- 今契約すれば安くなります
- 只今〇〇名様まで〇〇%引き
- 〇〇日まで〇〇がお試し価格
といった宣伝文句にひっかかり、すぐに契約しないようにして下さい。
中には悪質な契約を取っているクリニックも多くあり、契約に関するトラブルも報告されているそうです。
特に密室でカウンセラーに契約するようごりゴリ押しされる場合がありますので、きっぱりと断る勇気も大切です。

何かあった時の相談窓口
もし美容整形で何かトラブルが起こってしまったら、まずは施術した病院に連絡の上受診してください。
とはいえ、悪質なクリニックだとなかなか取り合ってもらえない事も多々あります。その際は下記に連絡すると解決の糸口が見つかるかもしれません。
医療安全
医療安全支援センター
医療に関する苦情・心配などの相談。
ホームページに全国の医療安全支援センターの連絡先が掲載されています。
契約・トラブル
消費者ホットライン「188(いやや!)」番
契約内容や解約条件、被害に遭った場合の対応など、契約に関するトラブル、その他困ったときの相談。
お住まいの地域の消費生活センター等を案内する全国共通の3桁の電話番号。
参考
法・制度、事故情報について詳しく知りたい場合はこちらを参照の事
こんな宣伝文句に騙されないで!!
先述したように美容医療はサービス要素の強い自由診療です。
よって集客の為に消費者にとって大変魅力的な文章を巧みに使って宣伝、広告をします。それはウェブサイト、雑誌等だけではなく、ツイッター、インスタグラムといったSNSでも宣伝に使われています。
しかし誇大広告が過去目立ち過ぎ、これによって被害者も増加した事態を受け医療広告規制が設けられるようになりました。
下記の宣伝文句はこの規制にひっかかる為禁止されています。もしあなたが受診しようとしているクリニックが違反していたら避けた方が無難でしょう。
- NO1、一番、最高、絶対
- 安心、安全、手軽
- 痛くない、失敗はない
- タレント、モデル御用達、人気女優来店
- 皆さんやってる
- 重症だ
- 年取ってからでは大変
- 未成年でも大丈夫
- モニター価格、キャンペーン期間中、〇%オフ、先着〇名限定
ウェブサイト、雑誌、テレビ広告ではあまり見かけなくなりましたが、ツイッター、インスタグラムなどのSNSではかなり多く見受けられますのでもはやイタチごっこですね。
このような広告規制に違反するクリニックは儲け主義要素が強いので自ら遠ざけた方が良いと私は思います。
さいごに
私は実際に美容医療関係者なので色々と裏をみてきていますし、他院勤務歴のある医師や看護師からの話も耳にしています。
キャンペーン広告を打ち出す理由、モニターを募集する意図、症例写真の真実など、その全ての背景にあるものを実際にこの目で見てきました。だからこそいくら魅力的な宣伝でお値打ちだからといってそう易々と受けてはほしくないのです。
もしあなたが美容整形、美容医療を受けようと考えているのでしたら、是非この機会に本当に自分に今必要なのか改めて考え直してみて下さい。そうすれば惨憺たる結末を避ける事ができるかもしれません。
ー以上です。