

今日はそのお悩みにお答えします。
私は元認定エステティシャンであり、元美容皮膚科のカウンセラーとして働いていました。
その経験と知識、そしてニキビで悩む自分の実体験に基づいてお答えしますね。
本記事の内容
- フェイスライン、顎ニキビの発生原因と対策
- なかなか治らない人へのホルモン治療のすすめ
- 生活習慣の見直しだけでは効果ない
- 美容皮膚科での治療と適切なホームケアが効果的
顎、フェイスラインに繰り返し出来てしまうニキビは本当にやっかいなもの。
成人してから出来る、主に顎、フェイスラインを中心にできるこれらのニキビは大人のニキビと呼ばれています。
思春期の頃と違って成人以降はニキビの治りも遅くなりますから、ニキビが治る前に新しいニキビが出来てしまい、気づけば沢山のニキビが顔に出来てしまっている状態です。

大人のニキビ体質を治すのは難しいですが、原因と対策をしっかり頭に入れて対策を講じることで、ある程度改善させることはできますよ。
この記事では、顎に出来る大人のニキビに焦点をおいて説明しますね。
目次
大人のニキビの原因
思春期に出来るニキビは皮脂の過剰な分泌が原因です。
一方大人のニキビは、もちろん皮脂の過剰分泌も原因なのですが、それを色んな原因が複雑に絡んでいます。
原因は人それぞれですが、一般的に次の事が考えられています。
ニキビ体質の遺伝
ニキビになりやすい原因としてよく言われているのが遺伝的要素。
肌質、毛穴の状態、皮脂腺の発達具合などの遺伝によってニキビが出来やすい体質となってしまいます。
ホルモンバランスの乱れ
人間には女性ホルモン(エストロゲン)と男性ホルモン(テストステロン)がバランスよく分泌されています。
しかし、ストレス、睡眠不足、食生活の乱れ、内臓疾患などが引き金となりホルモンバランスが崩れるとニキビが発生します。
特に生理前にニキビが出来てしまうのは男性ホルモンが女性ホルモンより多く分泌されてしまう事で皮脂が通常より多く出てしまい、毛穴が詰まり、そしてニキビとなってしまいます。
間違った洗顔
ニキビ予防には皮脂を落とすことが大切と思われがちですが、皮脂を落とす事にこだわって過剰なまでに洗顔することで、返ってニキビの原因になる事があります。
過剰な洗顔、熱すぎるお湯でのすすぎ、洗浄力の強い洗顔料の選択によって必要な皮脂まで取ってしまい、肌のバリア機能が低下し乾燥を招きます。
そうすると今度は皮脂を余計に出そうとしますので、それが原因で毛穴が詰まりニキビへと発展していきます。
また、乾燥により、肌の新陳代謝が乱れ、古い角質が毛穴を塞いでニキビを作ってしまう事も。
抗生物質による副作用
何かの病気で処方されている抗生物質によってニキビが発生、もしくは悪化する場合があります。
短期間飲む分にはまだよいのですが、長期使用する事によって体に良い働きをしてくれる善玉菌を殺してしまったり、薬が効かない強い菌である耐性菌が出てきたりする場合があります。
そして元々備わっている免疫力が下がる事があり、結果ニキビが大量発生したり、ひどくなるという副作用が稀にあります。
ニキビ治療の為に抗生物質の内服薬を処方されることがありますが、長期の服用には注意が必要です。
便秘
便秘はニキビだけじゃなく様々な肌トラブルを起こします。
排出されるべき老廃物や毒素が体内に留まっていると、その間毒素が体に吸収され、血液と一緒に全身を循環する事になりますので多くの悪影響を体に与えてしまいます。
また便の水分がどんどん少なくなることで硬くなってしまい、それによって自律神経の乱れ、血行不良につながってしまいます。
なぜ大人のニキビは顎、フェイスラインにできやすい?
思春期ニキビは額、頬の内側に多く発生する傾向にありますが、大人になって出来るニキビは顎やフェイスライン、首下に発生する率が高いです。
この場所というのは大きくて痛みを伴うニキビが出来やすい部分でもあり、炎症や化膿を引き起こしやすく、フェイスラインが変わってしまう程の大きなしこりニキビになりやすい箇所とよく言われています。
頬や額と違い、重症化したニキビが顎、フェイスラインに頻発してしまう理由は、男性の髭が生える部分を考えれば一目瞭然です。
髭というのは鼻下や顎、耳から下にかけてのフェイスラインを中心に生えます。
男性ホルモンが影響して髭が生えるわけですので、この部分こそがまさに男性ホルモンと密接に関係している部分と言えます。
ですから女性であっても男性ホルモンの分泌が多い方は鼻下の産毛が濃く目立ったり、顎、フェイスライン、首下あたりの肌質がゴワゴワとしてキメが粗いなど、他とは少し違う見た目の場合があります。
女性にも男性にも、女性ホルモン、男性ホルモン両方が存在します。
この二つのホルモンが丁度良いバランスを保っているわけですが、生理、ストレス、疲労、食生活の乱れによってこのバランスが崩れることがあります。
ホルモンバランスが崩れて男性ホルモンが強くなってしまった時、本来男性の髭が生える部分である顎、フェイスラインの皮脂が多くなり、結果、ニキビが発生するのです。
簡単に言うと
髭が生える場所は男性ホルモンの影響が強く出る。だから男性ホルモンが増えると、そこにニキビができる。
それに加えて顔の新陳代謝は真ん中(鼻の方)が早く、外側(フェイスライン)に行くにしたがって遅くなります。
ですから顔の外側に出来やすい大人のニキビはなかなか治りづらく、おまけに重症化しやすいのです。
大人のニキビの治し方:生活習慣
大人ニキビの原因について分かった所で、今度は治し方についてご紹介します。
まずは誰でも簡単にできる生活習慣から。
ホルモンバランスを整える事を重点においた生活習慣というのを意識しましょう。
規則正しい生活リズム、栄養バランスを考えた食事などの基本はもちろん、下記のちょっとした工夫を取り入れてみる事をおすすめします。
枕カバーをこまめに変える
人間は睡眠中約コップ1杯分の汗をかくと言われており、特に頭部は汗が一番出るところです。
ですので1回寝た枕というのは思った以上に汗を吸っています。
それに加えシャンプー、トリートメントのすすぎ残しやヘアトリートメント、そして使った基礎化粧品、フケ、角質、皮脂、よだれなど、多くの物が枕に付いており、それを餌にしているダニやその他様々な菌が増殖しています。
汚れた枕カバーは、ニキビや吹き出物、アレルギーの原因となり肌荒れを引き起こしてしまうので3日に1回は交換しましょう。
リラックスタイムを作る
心と体を落ち着かせる時間を設けるのもニキビ予防になります。
ハーブティーやアロマオイルに是非ローズ系のものを使ってみましょう。
ローズは女性ホルモンの分泌を促したり、ホルモンバランスを整えてくれるので女性の強い味方。
嗅ぐ事によって脳が体の調整をするよう指令を出してくれますので、一見効果がなさそうに感じるアロマですが、嗅覚を通したケアは効果があるのです。
また、心身リラックスする事で溜まったストレスを少しでも解消させてあげましょう。
過度な緊張とストレスは消化機能に悪い影響を与え肌荒れにもつながってしまいます。
体を温める
なるべく体を温めるよう日々の生活を工夫してみましょう。
シャワーのみではなくお風呂につかる、冷たい食べ物を控える、薄着をしないなど、ポカポカして心地よい位の温度を保つ事が大切です。
体が冷えてしまうと血行が悪くなり、必要な栄養素が全身に廻りづらくなってしまい、新陳代謝が落ちてしまいます。
代謝が悪いと不要な古い角質がはがれにくくなり毛穴を詰まらせてしまいます。
芯から体が冷える時は生姜や柚子を使った体を温める食材を積極的に摂取し、冷えに負けない体を作りましょう。
大人のニキビの治し方:病院
ニキビは「尋常性ざ瘡」という病名がついています。
皮膚科に行けば保険診療で治療をしてくれますので、たかがニキビで病院?と思うのではなく、遠慮せず受診しましょう。
処方箋
皮膚科に行くと大抵は抗生物質、角質軟化剤、ビタミン剤、漢方薬などを処方してもらえるでしょう。
種類 | 薬名 | |
外用 | 抗生、抗菌物質 | ダラシン、アクアチム |
角質軟化剤 | ディフェリン、ベピオゲル、デュアックゲル | |
内服 | 抗生物質 | ミノマイシン、ルリッド、ファロム、クラビット |
ビタミン剤 | シナール、フラビタン、ピドキサール | |
漢方薬 | 十味敗毒湯、清上防風湯、荊芥連翹湯 |
場合によっては化膿しているニキビに圧を加えて膿を出してくれる事もあります。
重症ニキビの場合は医師の診断により、ホルモン治療をスタートする事があります。
ニキビの原因となっている男性ホルモンの分泌を抑制する【アンドロゲン】治療で、根本からニキビの出来ない肌へと導きます。
美容治療
保険は適応されませんが、美容皮膚科で行っている治療はとても有効です。
ニキビの予防、今あるニキビの治療、ニキビ跡の治療と、幅広くニキビへのアプローチが可能です。
肌悩み | 治療法 |
ニキビ | ピーリング、マッサージピール、クリアタッチ |
色素沈着 | イオン導入、エレクトロポレーション、Vビーム |
クレーター | ダーマローラー、ダーマペン、フラクショナルレーザー、成長因子注射 |
どれも決して安くはありませんが、効果はそれなりに期待できますので、。
大人のニキビの治し方:セルフケア
毎日使う基礎化粧品やサプリメントにも意識しましょう。
スキンケアに関しては、保湿とバリア機能を高めることと、肌の再生を促進させること。
サプリメントについては、ビタミン剤やホルモンバランスを整えるものを重点的に選びます。
基礎化粧品
大人のニキビはホルモンバランスの乱れと肌のバリア機能低下、それに伴う乾燥、皮脂過多が原因で起こりますので、保湿を徹底したスキンケアを心がける事が大切です。
また、治りにくいニキビ跡には浸透率の高いビタミンCや肌の再生を促す成長因子EGF、FGF配合のものをお勧めします。
ニキビ、ニキビ跡ケアに代表される成分は下記の通りです。
この成分を参考に、スキンケアアイテムを選んでみましょう。
効果 | 成分 |
バリア機能向上 | セラミド、ヒアルロン酸 |
角質ケア | フルーツ酸、サリチル酸、グリコール酸などのピーリング剤、硫酸ナトリウム、レチノール |
抗炎症 | オウゴンエキス、カミツレエキス、ハトムギエキスなどの植物エキス、グリチルリチン酸ジカリウム、アラントイン |
抗菌 | イオウ、イソプロピルメチルフェノール、ピオニン |
美白、肌再生 | ビタミンC(ビタミンC誘導体、APPS)、ハイドロキノン、ルミキシル、成長因子(EGF、FGF) |
サプリメント
肌への効果は顕著に表れるわけではありませんが、飲んでおいて損はありません。
定番であるビタミンC、ビタミンBを摂取するのがお勧めですが、あれもこれも単独で摂るよりも、マルチビタミンで補った方が効果的ですし安上がりです。
生理前に出来るニキビの対策としては、チェストツリーが配合されたサプリメントが特にお勧めです。
月経不順、PMS、不妊などの女性特有の症状に効果が期待でき、ドイツでは一般的に使われているハーブの一種です。
黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌を促進することで症状を和らげる働きがあります。
まとめ
以上です。
ざっくりと説明しましたが、ご理解いただけたでしょうか。
人によって顎、フェイスラインに出来る大人のニキビの原因は様々ですので、色々試したうえで、納得のいく治療法を見つけてくださいね。