
ニキビ痕に有効とされているダーマペン4ですが、導入する製剤の種類が増えたと同時に毛穴やハリ目的、トラブルないけど肌管理として受ける方が多くなってきたように思います。
それと同時にあの病院は微妙だった、この病院はしっかり刺してくれた気がする、といった意見がSNS上で散見され、ダーマペンを受ける際の病院選びとして情報収集している方が結構多いなぁという印象があります。
そこでダーマペン4を受ける際の病院選びについてヒントを記しましたので参考にして下さい。
全てダーマペン4のプロトコールを基に記載しています。
結論だけ知りたい人向けのまとめ
- 感染防止カバーが取り付けられている事
- 適切な薬剤を選定してくれる事
- 部位、目的別に穿刺深度、速度を調節してくれる事
- 適切な手技で行っている事
- 施術前に医師による診察がなされる事、かつ適応の範囲を広げ過ぎていない事
- 患者の皮膚の状態によってこれまでのノウハウを生かした施術をしてくれる病院を選ぶことが一番大切
目次
ダーマペン4とは
ダーマペン4とは針で皮膚に微細な孔をあけることによって肌の生まれ変わりを促す美容医療です。
一緒に目的に合わせた製剤を使用する事で皮膚深層に浸透させる事ができ、製剤のもつ作用を発揮させる事ができます。
ニキビ痕、妊娠線、ストレッチマーク、傷痕はもちろんの事、毛穴、ハリ、アンチエイジングといった目的でも行われています。
ダーマペン4 病院選びのポイント5つ
ダーマペン4を受けるにあたり、病院選びのポイントは下記の通り。
①感染防止カバーが取り付けられている事
感染防止カバー(スリーブ)がダーマペン本体に被さっている病院をなるべく選ぶようにしてください。
施術中血液が飛び本体に付着する場合があります。通常はそこまで飛ぶことはないのですが、穿刺深度が深いと飛ぶ場合があります。
コンドームのように先端から上に向かってすっぽり覆えるタイプとなっているので見ればすぐわかると思います。
カバーをする事で感染症を防ぐ事が出来ますのであるに越したことはありません。
ですがSNSを見てみるとカバーを付けていないクリニックは結構な数ありました。スリーブの納入価は¥121。この数百円をケチるのはどうなのかなぁと思います。
②適切な薬剤を選定してくれる事
ダーマペン4は追加料金なしのスタンダートなものと、別途薬剤費を支払って目的に合わせた施術の2パターンあります。
実に多くの薬剤がありますが、その中から症状、目的、予算に合った薬剤を選ぶと効果もその分実感しやすくなることでしょう。
種類豊富に薬剤を取り揃えており、かつ的確なものを選定してくれる病院を選ぶことが大切です。オプション代欲しさの為に高い薬剤ばかり勧めてくる病院もあるので気を付けて下さい。
ダーマペンの際に使用される薬剤については一部ではありますが下記の通りです。参考にどうぞ。
※製剤によりHyla Active等と混合推奨
製剤 | 主な有効成分 | 適応 | 施術の相場 |
Hyla Active | ヒアルロン酸 亜鉛 パントテン酸 |
若返り 保湿 |
¥20,000~ ¥30,000 |
Antioxidant Cocktail | ビタミンC ナイアシンアミド |
若返り 抗酸化 |
¥20,000~ ¥30,000 |
Brite Lite | コウジ酸 | 美白 | ¥20,000~ ¥30,000 |
Retinal Active | ビタミンA ビタミンE 銅ペプチド |
若返り ニキビ 瘢痕 色素沈着 |
¥20,000~ ¥40,000 |
CLR Lotion | サリチル酸 ナイアシンアミド マヌカハニー |
ニキビ 毛穴 |
¥20,000~ ¥40,000 |
MPF Rejuvenating Kit | 成長因子 ビタミン ミネラル |
若返り 毛穴 |
¥30,000~ ¥50,000 |
MPF Complex Kit | 成長因子 ビタミン ミネラル |
若返り 美白 |
¥30,000~ ¥50,000 |
RCPR | アミノ酸(24種類) ペプチド(5種類) ビタミン(11種類) グルタチオン |
肌質改善 若返り 水分補給 |
¥30,000~ ¥50,000 |
NCPR | アミノ酸(24種類) ヌクレオチド(4種類) ビタミン(10種類) ミネラル(5種類) |
若返り 肌再生 栄養補給 |
¥30,000~ ¥50,000 |
WCPR | オリゴペプチド(2種類) 甘草エキス(2種類) ビタミン グルタチオン |
肌老化 美白 |
¥30,000~ ¥50,000 |
ECPR(目周り専用) | ビタミンC ペプチド(3種類) ヒアルロン酸 |
たるみ くま シワ 色素沈着 |
¥30,000~ ¥50,000 |
Rejuran Skin Booster | C-PDRN アミノ酸 ヒアルロン酸 |
若返り 肌再生 |
¥50,000~ ¥70,000 |
SOSUM PCL Solution | ポリカプロラクトン(PCL) | 若返り 透明感 美白 |
¥80,000~ ¥100,000 |
ASCE plus SRLV-S | 脂肪幹細胞由来エクソソーム | 若返り 抗炎症 ニキビ アトピー性皮膚炎 |
¥80,000~ ¥100,000 |
AmnioGenix | 羊膜/絨毛膜同種移植片 | ニキビ跡 創傷治癒 |
¥100,000~ ¥120,000 |
■関連記事「ダーマペン4の薬剤の種類についてのまとめ」
③部位、目的別に穿刺深度、速度を調節してくれる事
面倒臭がらず、部位、目的別に穿刺深度や速度を調節してくれる病院を選びましょう。これ、すごく大切です。
針を刺す深さは下記の通りです。その人の皮膚の厚みや部位で深度を変えます。
穿刺深度は25段階、速度は5段階で調節可能となっています。深度3㎜の設定にするとSTモードと表示され、最も遅い速度となり速度調節はできないようになっています。
深度が深いと動かしにくくなるため、病院によってはスタンプ形式で刺す場合もあります。
【部位別の深度範囲:皮膚の厚さによる分類】
部位 | 薄い皮膚 | 厚い皮膚 |
額 | 0.3~0.5㎜ | 0.5㎜ |
眉間 | 0.3~0.5㎜ | 0.5㎜ |
鼻 | 0.3㎜ | 0.5~0.8㎜ |
頬骨 | 0.5㎜ | 0.5~0.8㎜ |
頬 | 0.5~1.0㎜ | 0.8~2.5㎜ |
唇周囲 | 0.3~0.8㎜ | 0.5~0.8㎜ |
ストレッチマーク | 1.5~2.0㎜ | 1.5~3.0㎜ |
瘢痕 | 1.0~1.2㎜ | 1.2~1.5㎜ |
STモード (瘢痕治療) | ST(3.0㎜) | ST(3.0㎜) |
ヴェルベットスキン(ダーマ+PRX-T33) | 0.2㎜(場合により0.5㎜程度まで。出血させない範囲で。) |
症状に合わせた狙うべき皮膚の層は下記の通りです。
目的別での穿刺深度についてはプロトコールに記載がありませんでしたが、表皮は0.2㎜、真皮は2.0㎜ほどの厚さと言われていますのでそれを基に深度を計算します。
狙う皮膚層 | 施術目的 | 出血具合 |
表皮 | 美白 色素沈着 ニキビ 毛孔性苔癬 |
ほぼ無い (あっても点状出血) |
真皮 | ハリ・毛穴 若返り ニキビ跡・瘢痕 ストレッチマーク 脱毛症 |
点状出血 |
皮下組織 | 白いストレッチマーク 白い肥厚性瘢痕 |
点状出血・流血 |
ただ皮膚の厚さは本当に人それぞれ。
上記の表はあくまでも目安です。あとは病院側のこれまでのノウハウ、出血具合によって調節したりします。
深度が深い場合は看護師施術ではなくなるべく医師にやってもらった方が安心です。そういう病院もありますのでクリニックのSNSやブログ等で確認してみて下さい。
④適切な手技で行っている事
ダーマペン4本社が推奨している手技で適切に行っている病院を選ぶようにしてください。
プロトコールでの手技は、
- 皮膚を伸ばしたままで
- 決して圧をかけず
- 一定方向に縦、横、斜め、逆斜めにスライドさせる
- 決してジグザグ、円を描いたりしない
と記載されています。
ダーマペンのニードル部分は一定方向の動作によって適切に穿刺できるように設計されています。クルクル円を描く動作をしている病院の動画を見たことがあるのですが、あれは正確なやり方ではありません。
■関連記事「セルフダーマペンのやり方【本社マニュアルより解説】」
⑤施術前に医師による診察がなされる事
ダーマペン4に限らずどの施術にも言える事ですが、施術前は必ず医師による診察がなされたうえで施術を開始する病院が安心です。
基本的に看護師は医師の指示のもと医療行為をします。故に医師が患者さんの皮膚の状態をみて穿刺深度を指示する事が望ましいです。
初回だけ診察して、あとの2回目、3回目は医師と顔を合わせることなく施術を開始する、という病院はいろんな面で不信感しかありません。
以前私はこんなツイートをしました。
働いてたから言うけど…
レーザー、点滴等はNs施術が殆んどだが、医師の指示の元行うと定められている為、毎回Dr診察の上出力等Nsに指示するのが望ましい。よって、Drに顔会わせる事無くNsのみで終了は基本×。そのような病院は医者が適当だったり医師不在の可能性有り。特に医師不在中の点滴は危険です
医師不在における美肌点滴や注射が危険な理由は、アレルギーやアナフィラ等何かしら起こった時にNsのみでは対応出来ないから。実際にトラネキサム酸は気持ち悪くなる人がそこそこいました。どうせ問題ないから医師の診察無くていいよーって方多いと思う。けど、適当な病院に身を任せたくないよね普通は
通常の保険診療の病院ではありえない対応が美容クリニックでは日常的に行われている事がよくあります。
美容医療であろうと「医療」という認識を忘れずに。
そして診察によってダーマペンがはたしてあなたの肌に適用かどうか見極めてもらう事も大切。
ドラッグデリバリーと称してあらゆる肌質、肌トラブルの人にやたらめったら勧めてくるクリニックが多いように感じます。
リスク&ベネフィットを考えるとニキビ痕や傷痕治療などにはとても良い治療法とは言えますが、適応の広げ過ぎには疑問を感じます。

海外のプロトコールが日本人に合うとは限らない
上記で記した内容はすべてダーマペン4本社のマニュアル(プロトコール)に沿った内容でありメーカー側推奨の内容となっています。
美容医療は海外から入ってきたものが多くあります。しかし人種によって起こりやすい肌トラブルや皮膚の厚さが異なります。
肝斑、色素沈着のリスクは西洋人より東洋人の方がはるかに確立が高いのが良い例です。ですから海外メーカーのプロトコールが日本人の皮膚に合うとは限らないのです。
よって、メーカーの推奨の穿刺深度、動かし方等プロトコール通りに行いつつも日々検証を繰り返し、患者の皮膚の状態によってこれまでのノウハウを生かした施術をしてくれる病院を選ぶことが一番大切だと私は考えます。
まとめ
ダーマペンを受ける際の病院選びとしてチェックしてほしい項目をまとめると下記の通り。
- 感染防止カバーが取り付けられている事
- 適切な薬剤を選定してくれる事
- 部位、目的別に穿刺深度、速度を調節してくれる事
- 適切な手技で行っている事
- 施術前に医師による診察がなされる事、かつ適応の範囲を広げ過ぎていない事
- 患者の皮膚の状態によってこれまでのノウハウを生かした施術をしてくれる病院を選ぶことが一番大切
しかしクリニックのHPだけでは判断できないと思います。なので、実際に検討中のクリニックの施術動画やSNSをチェックしたりするなどあらかじめ下調べをして納得できるクリニックを選んで欲しいと思います。
決して値段に釣られてクリニックを選ばない事!
ー今日は以上です。