
皆さんはしっかりと熟睡出来ていますか?
朝はスッキリと目覚められていますか?
良質な睡眠は美肌作り、疲労回復には欠かせないのでしっかりと熟睡したいものですが、インターネットの普及やテレビ、ストレスなど様々な要因で質の悪い睡眠をされている方が多いと言われています。
厚生労働省の「平成30年度 健康実態調査結果の報告」によると、睡眠時間は6~7時間確保できているものの、寝つきが悪かったり、途中で目が覚めてしまう方が多いのが伺えます。

引用元:平成30年度 健康実態調査結果の報告
以前、私自身深夜まで勉強したり読書する事が多かった為、眠りの質が悪いのか、朝起きてもスッキリせず疲労だけが蓄積される事がよくありました。
少しでも改善させたいと思い、元職場の同僚である美容看護師に勧められた「スタンフォード式 最高の睡眠」を読んでみたのですが、以来書いてある内容を取り入れるようになってから睡眠の質が大幅に向上しました。
スタンフォード大学と言えば睡眠研究で有名ですよね。加えてこの本の著者である西野医師はマットレスの「エアウィーヴ」と共同研究を行ったことで知られています。
ですから本の内容としてはとても信頼がおけますし、全て科学的根拠に基づいて書かれているので読む側にとって十分価値のあるものだと思います。
この記事では、内容の要約と共に、ちょっとした私の感想を添えて本の紹介をしたいと思います。
- どんな内容の本なのか買う前に知りたい
- 睡眠の質を上げたい
- 本当に効果あるのか知りたい
そんな方の参考になればと思います。
※本記事は、書籍の発行所である株式会社サンマーク出版様より許可を得た上で執筆しています。
結論だけ知りたい人用のまとめ
- 肌のゴールデンタイム22時~2時は間違い
- 良質な睡眠は最初の90分を深く眠る事ができればok
- 入眠の為には体温、脳の2つのスイッチが大切
- 覚醒の為には光、体温の2つのスイッチが大切
- 睡眠と覚醒は表裏一体である
スタンフォード式 最高の睡眠とは
「世界一の睡眠研究所」と言われているスタンフォード大学にて長年睡眠研究を行っている同大学医学部精神科教授、同大学睡眠生体リズム研究所所長の西野医師により書かれた本です。
睡眠の基礎的な知識と共に、質の良い睡眠の取り方、眠気の制止方、すっきり覚醒する為のメソッドなどをこれまでの研究結果より分かりやすく解説されています。
スタンフォード式 最高の睡眠の要約
睡眠と覚醒は2つで1つであり、良い睡眠がなければ良い覚醒はなく、良い覚醒によって良い睡眠も得られるようです。
よって、この本では良い睡眠のための方法と、良い覚醒のための方法が紹介されています。
最高の睡眠は最初の90分で決まる!
良い睡眠というのは、入眠してからの90分「最初のノンレム睡眠」で決まります。
ここさえ質が良ければ残りの睡眠も比例して良質になる事が分かっています。

最初の90分で深く眠るとこんな嬉しいメリットが!
・その後の睡眠リズムが整う
・自律神経が整う
・成長ホルモンが正常に分泌される
・翌日のパフォーマンスが上がる
良い睡眠のためのポイント
良い睡眠を取るための方法として大切なのが、
- 体温スイッチ
- 脳スイッチ
の2つ。
まず、質の良い睡眠を取るには体温の低下(深部温度)が欠かせません。なぜなら深部温度を下げる事で体と脳を休ませる事ができるからです。そしてその深部温度を下げるには皮膚温度を上げて熱を放散する必要があります。
この変化を助けてあげる事で温度の差が縮まり、熟睡へとつながります。
同時に、脳が興奮していると体温が下がりにくくなるので、なるべく入眠の際は脳を使わずスイッチを切っておく事が大切です。
この2つのスイッチを入れるための方法は下記の通りです。取り入れやすいものから実践すると良いでしょう。
寝る90分前に入浴して深部体温を上げる
入眠をパターン化する
寝る前は脳のスイッチを切る
コレはNG!
・靴下履いて寝る
・スマホ、PC操作
・寝る前のやり過ぎストレッチ
覚醒のポイント
良い覚醒の為に欠かせないのが、
- 光スイッチ
- 体温スイッチ
の2つ。
人間には体内時計が備わっているため、そのリズムを正す為には光を浴びる事が必要。また、光の刺激で脳の活性化に影響を与える事が分かっています。
そして、覚醒時には体温を上げて脳と体を行動モードにさせておくことも欠かせません。
覚醒からその日1日をどう過ごすかで睡眠の質も変わってきます。そのための覚醒戦略は下記の通り。
簡潔にまとめているため詳しい説明は省いています。
![]() 起床時刻とその20分前 |
![]() 天候関係なく実行 |
![]() 感覚刺激になる |
![]() 皮膚温度を下げられる |
![]() 脳に刺激を与えられる |
![]() 疲れない程度で程々に |
![]() カフェインを摂取できる |
![]() 脳使うなら午前中が良い |
![]() 遅くても寝る1時間前迄 |
![]() 深部体温を下げられる |
![]() 寝つきが良くなる |
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読んだ感想
睡眠についての膨大な研究データを素人でも理解できるよう分かりやすく解説されておりススっと頭に入りました。
大事な部分には線が引いてあるので速読派の方でも理解しやすいかと。
特に印象的だったのが、
「よく寝る」だけでパフォーマンスは上がらない。
という点。
日頃から睡眠が足りていない方は土日の休日にたっぷり寝て寝だめを解消しようとしがち。
しかし睡眠不足というのは負債(睡眠負債と言う)であるとこの本には書かれています。そしてお金の負債は返せても睡眠負債は返せないのだそうです。
従って、休日にたっぷり寝てもパフォーマンスが上がるわけではない。一番の解決策は最初の90分の睡眠の質を上げてしっかり眠る事に尽きるのだそう。
休日に寝だめを解消しても疲労が取れなかったり、余計やる気が出なくなる理由がこの本を読んでよく理解できました。
このように、自分が良かれと思って何気なくやっていた事が実は間違っていた、という事がこの本から学ぶことが出来ました。
そして先述したように、睡眠の質をあげる方法がいくつか記載されていましたが、どれも簡単な方法でお金は殆どかからない事ばかりなので誰でも実践しやすく、すぐ取り入れられるところが大変良かったです。
睡眠は身近なものであり普通の事。だからといって侮ってはいけないと改めて考えさせられました。
とても良本だと思いましたので是非皆さんも読んでみて下さい。
さいごに
電気のある現代。
街では昼夜問わず光が常に発光され、また自分の意思で灯す事が可能な時代。
飲食店、深夜番組、インターネットの普及、読み物、ゲームなど、実に多くの娯楽に溢れており、寝るのを惜しんで遅くまで楽しむ方も多い事でしょう。
光と娯楽によって夜中でも脳が興奮状態になりなかなか寝付けなかったり、睡眠時間が削られたり、昼夜逆転の生活になり体内時計がくるってしまうなど、睡眠障害は現代らしい健康問題の1つと言え、資本主義経済による弊害といっても過言ではありません。
時代の変化と上手に付き合いながらも自身の持つ体内時計を狂わすことなく、睡眠の質をしっかり上げて翌日のパフォーマンスを向上させたいものです。
ー以上です。