
埋まっていた3本の親知らずを静脈内鎮静法にて抜歯したのでその体験談を綴ります。
特に急いで抜く必要はなかったのですが、顔が小さくなればいいなぁという何とも浅はかな気持ちから決行した次第です。
歯医者大嫌いですが「小顔」という美容目的があると恐怖心なんて無くなるから不思議ですね。
結果として親知らず抜歯による小顔効果は無でしたが、今後の為にもちゃちゃっと抜いてよかったと思っています。
目次
親知らずの抜歯に至った経緯
親知らずがあったのは上2本と右下1本の計3本。
残りの左下1本は以前奥歯虫歯の為抜歯し、ちょうどその場所にポコッと親知らずが生えたので抜く必要はありませんでした。
親知らずは半分埋まっている状態でして向きは横では無くいたって正常。他の歯に悪さをしてる事もなさそう。という事で歯科検診行っても親知らず抜歯を勧められることはありませんでした。

勿論親知らず抜糸によって小顔になる人とならない人がおり、そもそもそこまで変わらないという事実を理解していましたが、美容好きの私からしたら小顔効果を検証してみたくなるんですよね。という訳で自らの歯を実験台として親知らず抜歯に踏み切ったわけです。
抜歯したのは病院全体が口腔外科の大きな病院でした
歯科医の勧めもあって割と近場にあるちょっと大きな病院へ行ってきました。大学の付属病院でして口腔外科に特化している所でした。
静脈内鎮静法とは
今回は私の希望もあって静脈内鎮静法で抜歯する事となりました。これは点滴から眠くなる薬を入れることで患者の恐怖心を取り除く方法です。
入れる薬の種類や患者の体質によって眠くなる度合いが変わってくるのですが、体感としては、
- お酒に酔ったような感じ
- 意識がふわふわする
- うつらうつら眠気がする
- 眠ってしまう
という状態になるので、意識が全くなくなる全身麻酔とは違います。
処置の際の恐怖心を取り除いてリラックスして治療を受けられる方法なので、歯科恐怖心の強い人にとっては是非追加したいオプションなのではないでしょうか。
歯科治療に対する恐怖心や不安・緊張感を最小限に抑制し、快適かつ安全に治療を施行するために、薬物を使用して患者管理を行う方法を精神鎮静法という 。…精神鎮静法は意識があり、生体の防御反応や反射が維持されているので安全性が高い。
私は親知らず抜歯する以前から静脈内鎮静法を4回経験しています。
薬剤によって全然体感が違うので、正直今回の親知らず抜歯はどれ位意識がモヤモヤするのか、ちょっと不安でした。
親知らず抜歯前の検診【初診、術前検査】
初めて行く病院でした。歯の診療なのに普通の歯医者と違ってここまで病院の規模がドデカいのかと驚愕。
初診
有名だけあって患者がとても多く待ち時間が大変長かったです。病院到着してから1時間半後にやっと診察。
診察室には歯医者のあの診療ベッドがズラーーーと並んでいてこれまたビックリしました。
大学病院付属ですからベテラン医師と新米医師の2人による診察でした。
日帰りで本数を分けてパパっと抜けると言われましたが、歯医者怖いしどうせやるなら同時に全部抜いて欲しいという要望を伝えました。
3本同時かつ静脈内鎮静法を併用すると1泊2日の入院になると説明されました。もちろん了承する私。
とりあえず抜歯の予約と術前検査の予約を抑えて初診は終了となりました。
術前検診
2回目の来院です。
この日の流れは下記の通り。
- レントゲン撮影
- 採血
- 診察
- 説明&同意書
レントゲン撮影後、1時間ほど待たされてから診察。
親知らずが顎の神経には触れていないから一安心。しかし根っこが少し曲がっているので抜歯は時間かかるかもとの事。
根っこが神経に触れていると抜歯後痺れが残る場合があるらしい。
その後看護師より入院の説明とか同意書とかの手続きがあり終了。約3時間病院にいたのですごく疲れました。
親知らずを静脈内鎮静法で抜歯した体験談【入院、処置、その後】
それでは本題に入ります。
静脈内鎮静法で親知らずを3本抜いた私のリアルな体験談です。
親知らず抜歯前
入院手続きは9時からでした(早すぎる…)。
結構古臭いお部屋でした。ベッドがカラフルでファンシー。

暇つぶしのPCは欠かせない。
お部屋は4人部屋。すでに1人(額変形症と思われる患者)入院されており、私と同時にもう一人(親知らず抜歯患者)入ってきました。
術前に色々と説明があり、12時あたりに抜歯開始なので11時くらいに静脈内鎮静法の為の点滴ルートを取りますとの事。
点滴はサーフローっていうストローみたいな留置針だから入れる時痛いんですよね。失敗も多々あるし。だからこの点滴にいつ呼ばれるのかドッキドキでした。
医師が部屋に入ってきてもう一人の同部屋の患者に点滴始めたのですが、3回失敗していましたww針をぐりぐりされてたのかな?患者さん「痛い!!」って連呼してました…。
そんな状態を耳で聞いていたら余計恐怖心が募りますから別室でやってほしいものだ。しかし私はお守りを持参していたのでコレが心の支えとなりました。
そのお守りとは、麻酔テープのペンレスです!!

私物のペンレステープ
表面麻酔効果があるペンレスを貼れば点滴針を刺す時の痛みがかなり減るので痛みに弱い方にはおすすめ。針を刺すであろう場所に酒精綿で肌をふきふきしてからテープを貼って事前に仕込んでいたので、これによって心を冷静に保っていました。

針刺す場所を予想して貼りました。
いよいよ点滴の順番が回ってきました。
事前に医師に私物のペンレス貼っておくことを伝えていたのできちんとその場所に針を刺してくれました。全然痛くなくて楽勝楽勝!と思いきや、点滴失敗されました…。
結局麻酔の効いていない別の部位の点滴され、チクっとした痛みとサーフロ―がずんずん進んでいく痛みがあり心が折れました…。

点滴痛かったです。
親知らず抜歯開始
親知らず抜歯予定時間は12時でしたが、結局13時開始となりました。
看護師さんが呼びに来てくれて点滴棒引きづりながら処置室へ。処置室といっても初診の時と同じ部屋です。指に酸素濃度計、腕に血圧計と点滴。管だらけです。
点滴に眠くなる薬が投入されました。この時に使用された薬は「ドルミカム」でした。
【ドルミカムとは】
脳内のベンゾジアゼピン受容体にはたらき、神経細胞の興奮を抑える作用を示します。通常、麻酔前投薬、全身麻酔の導入および維持、集中治療における人工呼吸中の鎮静、歯科・口腔外科領域における手術および処置時の鎮静に用いられます。
引用元:くすりのしおり
しかし全然眠くならないんです。意識がハッキリあるまま歯茎に麻酔注射されたので痛みは感じました。
そのあとグイグイと歯を掘り起こしている感覚があり、顔が変形するんじゃないかと心配したものです。顔が右に傾いてしまった時は左に顔をグイっと戻され「荒々しいなぁ」と思いながら抜歯に耐えていました。
治療中の痛みは全然ありませんでした。
割とあっという間に終わって、時間で言うと30分位の体感ですね。
診療台から起き上がるとフラっとめまいがし、歩くとフワフワ浮いているような感覚だったので静脈内麻酔がまだ効いているんだなと感じました。
といっても意識バッチリあるので全然効いて無かった、というのがこの時の感想ですね。
そのまま車イスに乗せられ病室へ戻りました。

抜歯後
病室に戻った後、とにかく眠くて眠くて…。ガーゼをしっかり噛みしめながらウトウトしていると医師が出血確認をしに来ました。まだ血が出てる、という事で15分後再度確認。が、まだ出血している。
結局4回確認された後、それでも止血が出来ていなかったので処置室に連行され、何やら止血の為の処置をされました。たぶん薬を塗布したのだと思います。
暫くして夕食が配膳されました。全てミキサーでドロドロにした食事。お品書きが無かったので一体何の料理なのか不明。左上はクリームシチュー。右上はキウイフルーツだというのは分かりました。

全てドロドロです。
見た目は悪いですが、味は大変美味しかったです。口が開けにくいのでドロドロ状態であるとはいえ食べにくかったですが。
医師が抜歯した歯をくれました。肉がくっついていて気持ち悪いです。

血液と肉付き。
歯の痛みがあったので痛み止めを飲み就寝。
唾液に血が混ざって気持ち悪いので、ひたすらティッシュで唾を吐きだしながら眠りにつきました。
抜歯翌日
おはようございます。朝です。朝食はこんな感じでした。メニュー名一切分からず。でもおいしかったです。

全てドロドロ。
翌日になると顔がパンパンに腫れていました。左右両方抜歯しているので下膨れ状態です。痛みは無かったです。
朝食後に抗生物質の点滴が始まりました。ペンレステープ仕込んでいたので痛みはゼロです♪

抗生物質点滴中
最後検診があり、次回の抜糸予約を取って無事退院となりました。
親知らず抜歯費用は¥30,000程でした。
その後の経過
顔の腫れは5日あたりからみるみる引いていき、1週間経過するとスッキリ戻っていきました。

抜歯2日後

抜歯7日後
抜糸までの間は口が指2本程しか開かなかったので食事はほぼスープでした。無理して歯を磨いたり食事を噛んだりすると、傷の蓋をしてくれている血餅がはがれてしまうので注意が必要です。
抜糸はチョキンと糸を切ってスルっと抜くだけで痛みはゼロ。その日から口が開けやすくなり、うどんから徐々にならしていきました。
抜歯した親知らずを漂白剤に漬けて洗浄してみました。肉片が取れてすっきり綺麗に。

抜歯した親知らず
根っこは枝分かれしていませんでした。先っちょが折れちゃってますね。ひょっとしたら中に破片が埋まったままかもっと医師から言われました。これって大丈夫なのかしら?
以上、「静脈内鎮静法で親知らずを抜いた私の体験談」でした。
静脈内鎮静法の効果はいかに!?本当に眠ったまま?
さて、今回親知らずを抜くのにあたって静脈内鎮静法を併用したわけですが、その効果の恩恵にあずかれたのでしょうか?
抜歯当日は正直全然効いて無かったと思っていました。
私は前項目でこのように記述しました。
- 割とあっという間に終わって、時間で言うと30分位の体感ですね
- 意識バッチリあるので全然効いて無かった、というのがこの時の感想ですね
しかしですね、後から医師から聞いた話、私の親知らずに抜歯にかかった時間は90分だったようです。体感としては30分であっという間だと思っていたのですが…。
そして抜歯後しばらくたってから思い返してみると、麻酔の注射は痛かったし抜歯中意識はあったのですが恐怖心は全くなかったんですよね。そして、右の歯を抜く時の感触は覚えてるのですが、左に関しては思い出せないですね。

結論、静脈内鎮静法はリラックスさせて恐怖心を取り除くのに効果的だったと思います。なので歯科恐怖症の方は是非選択した方が良いでしょう。
親知らず抜歯で顔は小さくなったのか?
親知らずを抜くと顔が小さくなる、という説がありますよね。今回私が抜歯したのは小顔という美容効果を期待してのものでした。では実際に効果あったのかというと、
親知らず抜いたからと言って顔は小さくなりませんでした。
まぁある程度想定範囲でしたから良しとしましょう。しかしですね、親知らず抜歯によってある程度小顔になる方もいるようなんです。
それは下記の理由によります。
親知らず抜歯で顔が小さくなる理由
- 親知らずを支えている骨が痩せて小さくなる事でエラが目立ちにくくなる
- 親知らずによって増幅していた噛む力が弱くなることで筋肉が痩せ衰える
要は、骨や筋肉が親知らずによる影響をモロに受けている人が小顔効果を実感しやすいという事ですね。残念ながら私はその該当者ではなかったようです。
もしあなたが該当者でしたら顔が小さくなるかもしれませんのでわずかに期待をしてもいいのではないでしょうか。
親知らず抜歯にあたり持っていくと良い物
親知らずを抜歯によって入院する方の為に、持っていくと良い物を紹介します。
持っていくと良い物
- ティッシュ2箱
- ジュース
- ストロー
- ドライシャンプー
- シートマスク
抜歯後は血が唾液に混じって出てくるのでしょっちゅうティッシュで出していました。1箱で足りますが、惜しげもなく使えるように2箱あると心の支えになります。
病院食だけでは甘い物不足になって頭が冴えませんでした。ジュースやスムージーがあると便利です。その際ストローがあると飲みやすいのでお忘れなく。
一泊だけの入院なのでドライシャンプーは不要かもしれませんが、一日洗わないと気持ち悪いって方はあった方が良いです。
病院のエアコンと抜歯時の消毒で顔が乾燥します。シートマスクがあると貼り付けるだけなので腫れに触らずケア出来てお勧めです。
是非参考にしてください。
まとめ:静脈内鎮静法はおすすめです
親知らず抜歯をする際、静脈内鎮静法は大変おすすめです。口の中を切ったり引っこ抜いたり縫合するのは意識がある中で行われると大変苦痛ですからね。
へんな方向に生えた親知らずは放っておくと虫歯になったり歯並びを悪くしてしまいます。特に女性だと妊娠する前に抜いたほうが良いと言われていますから、歯医者さんで指摘されたのでしたら早めに抜く事をおすすめします。
ー以上です。
参考文献
・『歯科診療における静脈内鎮静法ガイドライン -改訂第2版 (2017)』(最終閲覧日:2021年4月5日)
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/minds/guideline_intravenous_sedation02/guideline_intravenous_sedation02_rev.pdf
・『くすりの適正使用協議会』(最終閲覧日:2021年4月5日)
https://www.rad-ar.or.jp/siori/kekka_plain.cgi?n=46471
